3月1日土曜日、本厚木駅前の神奈川工科大学ITエクステンションセンターにて、情報メディア学科 学生成果発表会「MediaExpo2014」が行われました。
「MediaExpo2014」はゲームクリエイター特訓や卒業研究など、情報メディア学科の日々の成果を業界のプロの人たちを招いて発表するイベントです。
今年はゲームクリエイター特訓で制作されたゲームの発表や展示の他、卒業制作研究や映像制作の発表がありました。
まずは展示の方から。
展示はゲームクリエイター特訓と白井研究室が行っていました。
【ゲームクリエイター特訓】
Aチーム|はげピッ!ピッ!
バーコード禿げのおじさんの頭をバーコードリーダでピッ! としていくなんともシュールなゲームです。
内容は画面に映し出される金額に対応したおじさんをスキャンし、おじさんの合計金額を指定の金額と同じにするものです。
ゲーム画面がスーパーの店内であったり、得点がレシートで表示されたりなど、ゲームの舞台がスーパーなのだとすぐに分かるゲームになっています。
Bチーム|やくばち
7つあるボタンを押して、現れる蜂を火炎放射で退治していくゲームです。
多方面を見ることのできるOculus rift を使うことを想定してコントローラは作られたそうです。
ちなみにテーマは、大量の敵を倒す爽快感だそうです。
Cチーム|リキシトール
寝坊した力士となり、土俵を目指して邪魔なものをツッパリで飛ばして行くゲームです。
画面上に現れる障害物を、タイミングよくツッパリをして吹き飛ばすのが快感です。ボタンを突っ張る強さで障害物の吹っ飛び方も変化します。中には、何度もツッパリをしないと吹っ飛ばないボス的な存在も……。
ちなみにこの筐体はとても大きいんです。当初は発表場所のエレベータに入らない大きさで、改良をしてなんとか入るようになったとか。
Dチーム|砲遠鏡 Star Gazer
手元の望遠鏡型コントローラを覗いて、指定された星を探して破壊するゲームです。
外からだと分かりませんが、覗いた先にディスプレイがあり、それを見て、プレイヤーは操作をします。
最終的に、壊した星についての情報をリザルト画面で見ることができる為、星や星座について勉強することも出来ます。
タイトルロゴや、星座のイラストがとてもきれいで、星空を舞台とするゲームとよく合っていました。
Eチーム|Let’s Spanking!!
音楽に合わせて、自分の体の指定された部分を叩く音楽ゲームです。
指定箇所は、手・肩・腰・膝の四箇所。一般的なボタンを叩く音楽ゲームと違い、手袋や服、膝部分に取り付けられたシートを叩くことで直感的に遊ぶことができます。
今回のゲームクリエイター特訓の作品の中で、プロの方から最も高評価をいただいていたのはこのチームでした。
今までにない音楽ゲームで、遊び方もこれから色々増えていきそうです。
Fチーム|ワットラットラッシュ
ねずみに乗って、家にある家電のコンセントプラグを抜いていくゲームです。
Oculus rift というヘッドマウントディスプレイをかぶり、ねずみのしっぽ型コントローラを振ってプラグを抜いていきます。
抜いた家電の消費電力の値段が得点となり、リザルト画面では今回の自分の得点と、今まで得た累計得点が、それぞれ金額として表示されます。
遊ぶ際にねずみにまたがるのですが、またがった時に足が床に着かないというところがポイントらしいです。
確かに、足がぶらぶらしていると楽しくなる気がします。
Gチーム|壁ライブ
ARコードを読み取ることで、ライブに行かなくてもライブを楽しめる音楽ゲームです。
ヘッドマウントディスプレイをかぶり、ARコードを読み取ることで、キャラクターが目の前に現れます。
キャラクターと共に現れる桜の花びらが、特定の場所に来たときにコントローラを振ります。
ただのARコードではなく、ライブ告知ポスター風になっています。
【白井研究室】
FamilinkTV
ディスプレイと3Dメガネぽいメガネを使って、裸眼とメガネ越しで異なる映像を見せることができる白井研究室の新技術です。
展示ではゲーム画面を分割せずに複数人でプレイするデモが行われていました。
これらの作品は4/26、27に本厚木駅前のアミューあつぎで体験できるそうです。
まだ体験されてない方はぜひ来てみてはいかがでしょうか。
詳細リンクです。
http://blog.shirai.la/events/amyu/
展示を1時間ほど行った後は発表へ。
発表は展示を行ったグループに加えて卒業制作研究などの発表もありました。
【音楽ゲームのコントローラを用いたリズム感の傾向調査システム】
リズムゲーム「太鼓の達人」のコントローラを用いて人のリズム感を調査する谷中研究室の研究発表。人のリズム感は歌よりもドラムに影響されるところが大きいとの結果が出たようです。
【FamilinkTV】
展示でも紹介されたFamilinkTV。発表は英語と日本語を交互に使って行われました。展示での使い方の他、子供向けと大人向けの映像を同時に流したり、多言語の字幕を同時に流したりと使い道に広がりがある技術だそうです。
【疑似的な添い寝を目的とした抱き枕「ZZZoo Pillows」】
広報部でもたびたび取材して頂いている谷中研究室の研究発表。抱き枕に温度や脈拍を再現できるデバイスを内蔵して、添い寝をできるようにしているそう。質問者からはぜひ製品化してください!との声も。
【創立50周年記念 学生チャレンジプロジェクト 短編CGアニメーション「Little Friends」】
神奈川工科大学創立50周年記念として行われている学生プロジェクトの1つ。ミーアキャットと空から降ってきた小さなミーアキャットとの絆を描いた3DCGアニメーション。いくつかの映画祭にも入選するなど評価を頂いているそうです。
【ゲームクリエイター特訓 各チーム】
展示でも紹介されていた、ゲームクリエイター特訓の学生作品です。
タイトルや内容はもちろんのこと、どのような現実問題を解消する為なのか、その為のターゲットはどこかなどが説明されました。
今回はほぼ全てのチームがその場での実現が不可ということもあり、事前に作成したゲームをプレイ・説明した紹介用動画を流していました。
中には動画で笑いを取るチームも……! 全てのチームで、個性あふれる発表がされました。
謝辞では、関わった学生や先生の他にも、神奈川工科大学にあるKAIT工房の方や、とあるチームのお母さんまでもが。
多くの方々に支えられ、発表まできたことには間違いないようでした。
発表が終わると「神奈川工科大学ゲーム開発教育の取り組み」として中村先生から講評を頂きました。
昨年他界した尾形先生の話から始まったのですが、中村先生が途中で涙し、白井先生から黙祷しませんかとの提案がありました。
全員で黙祷して講評は始まりました。
講評の中で先生は2日前のリハーサルから大きく進歩していると評価しました。
「アオモリズム」を超えるものを、プロを驚かせるものを作ろうと皆チームで頑張ってきた。
これから2年生は3年生になって研究に入る。今後にご期待くださいとのことです。
今年はゲームクリエイター特訓が目覚ましく変化しました。
筆者は昨年もこのイベントに参加させていただきましたが、昨年は「四角い画面とゲームコントローラーの組み合わせ」がすべてでした。今年は独自のデバイスや短期間の中での制作などの点で大きく変わっています。でもそんな中でも皆が努力してここまでのクオリティを出してきたことがよく伝わってきました。
チームで1つのゲームを作ること、そしてそれを業界のプロの人たちがいるなかで発表すること。
ゲームクリエイター特訓の方々にはとても良い機会になったと思います。
イベントの後は懇親会も行われました。
発表したグループの皆さん、本当にお疲れ様でした。